優しい人に対する風当たりがこの国は強い。
なのに、優しいのは当たり前だとする矛盾。
そんな歪な優しさに嫌気が差していた。
世の中みんなエゴだというのは分かっている。
見返りを求めない優しさは相当に難易度が高い。
だから優しさが大抵エゴだというのも分かる。
今でもその考えは変わらない。
それがゆえに、優しくするのも、されるのも嫌だった。
だけど、優しさってもっと純粋なものだと、今では思う。
世の中には助けてあげてるんだから感謝してよ、っていう人が一定数いる。
うちの親もその類なんだけど、まあ気持ちは少し分かる。
頼んできたのにお礼を言わない人は私もイラっとする。
(流石に自分から頼んできたんならお礼は言え??)
だけど、頼んでないのに、助けてきてお礼言えって言ってくる人はちょっと嫌。
実際にそう言ってくる人はそんなにいないけれど、
その”お礼待ちの圧”をひしひしと感じてしまっていて、昔はどんな人から手を差し伸べられてもまず疑っていた。この人もお礼待ちの圧なんじゃないかって。
助けてくる人がみんなお礼待ちに見えて、気味が悪かった。
それで、「ありがとう」に不快感を感じたまま26年生きてきた。
「嬉しい」とか「助かる」って言葉で代用してた。
ずっと言ってることだけど、
ありがとうは感謝すべき時に言いたくない。感謝してる時に言いたい。
ごめんも同じ。謝るべき時に言いたくない。申し訳なく思ってる時に言いたい。
こんな性格だから、誰かを助けるのが嫌だった時期も長かった。
偽善者って言われそうだからというのもあるけど、なにより助けること自体が迷惑なんじゃないかって思っていた。自分が助けられるのがそもそも嫌だったからね。
他にも理由はあるけど割愛。
そう。優しくなれなかった。
だけど最近、自分は純粋に人助けが好きなんだな、と気づいてきた。
気に入られたいとか、相手の人生を自分が救ってやるぞじゃなく、
もっと純粋な話。
強いて言うなら、気持ちがいい。
だけど、気持ちがいいから優しくするわけでもあんまりない。
私は、優しくありたいんだと思う。
相手の笑顔が見られたらうれしいのは事実。
相談事が解決したら気持ちがいいのもまた事実。
だけど、それが理由でという話じゃなく、
とにかく優しくありたい。それに尽きる。
メイクは、モテたいからではないじゃん?
強いて言うならテンション上がるからだけど、
それよりも、イケてる自分でいたいからじゃん?
人によるだろうけどさ。
それと同じで、優しくありたいのは、気に入られるためじゃなくて、そういう自分かっこいい~~でもなくて、
強いて言うならテンション上げたいからなんだけど、
もっと言うと、純粋に優しくありたいから。
私は優しくありたいと思っています。だから私は優しくありたいと思っています。(小泉構文)
優しくすることによるメリットを考えてるわけじゃなく、とにかく優しくありたいだけ。
まあやっぱりエゴではあるよね。
自己満足のために優しくしているわけだから。
でも、そう開き直ってからというもの、本気で相手のための行動を考えられるようになってきた。
その人が何を考え、どういう思想を大切にしていて、どう生きたいのか。
どれくらい知識があって、どれくらいメンタルに来ているのか。
それを踏まえて、私はどう支えられるのか。
どうすべきだと私は思うのか。
私が及んでいない考えがある事実は抜け落ちていないか。
強制するんでもなく、投げやりにもせず、どう伝えるのがいいのか。
自分ならこうする、と伝えるのがいい場合もある。
けれど、それだと冷たく思われることもある。
時にははっきり否定するのも必要だったり。
そういうのを臨機応変に考え続けるのが楽しくなってきたんだよね。
少し心に余裕が出てきたんだと思う。
とはいえ、
正直相手がどんな選択をしようが極論こっちには関係がない。
結局は自分のため、優しくありたい自分のためだから。
まあでもそれくらいでいいんじゃないかな、って思うんですよ。
相手の人生は相手の問題なわけで。
誰かと一緒にいる時の楽しみ方って色々あると思うんですが、
自分が話したい話をするよりも、相手の相談を聴いたり、相手の話に乗っかっていた方が楽しいと思うのは私だけですか?(逆に自分がそうだから、相手には話したい話を話していてほしい。マジで。)
1人で作るよりも気の合う2人で作った方が楽しいのと同じで、
自己完結的な関係も別にいいんだけど、最近それが楽しめなくなってきた。
というか、心の交わりの楽しさに気づいてきた。
籠る時もあるし、頼るのが苦手なのは変わらない。
支え合うぞ~っていうのはめっちゃ苦手。
助けるよ、っていう保証もできない。
自律性は高いと思う。
だけど私は、誰かと一緒の時は相手のために時間を使ってる方が満たされるんですよ。
せめて心の余裕は誰かのために使える人でありたいな、って思っています。
↓続編
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