はじめに
よく「MBTIはあてにならない」と言われます。「占いにすぎない」と。
でもそれは、MBTIと16personalitiesをごっちゃに考えているからだと思います。
まず、「MBTI」と「16personalities」は似て非なるものです。
この話自体は聞いたことがある人もいるかもしれません。
でもちゃんと違いを説明できますか?
「公式」か「非公式」くらいの違いでしょ?と思っている方が多いのではないでしょうか。
実を言うと、もっと大きな違いがあります。
両者は、そもそもフォーカスしているものが違うんです。
2つは何が違うか
前提として人の性格は「素質(遺伝子)+環境」で決まるとされています。
個人的には「心掛け」が入ってほしいものですが、まあ今は置いておきましょう。
そして、
16personalitiesは、今の性格を自己診断するというもの。
つまりは「素質+環境」がごちゃ混ぜになった話。
MBTIは生まれもった性格を遡って自己分析するもの。
つまりは「素質」に特化しています。
遺伝子が変わることがないように、MBTIが変わることはありません。
MBTIはそもそも「今の性格」の話をしておらず「本来の自分」の話をしているからです。
MBTIは変わらないものの話をしていますし、16personalitiesは変わるものの話をしています。
まずはこれを理解してください。
(※もちろん、新たな気づきの先に自認タイプが変わることはあります。)
そして両者にはもう一つ大きな違いがあります。
ただ、これにはまず「MBTIの成り立ち」を理解してもらった方がいいでしょう。
少し複雑な話になります。
MBTIの成り立ち
①
MBTIの原型はユング。
『タイプ論』という書籍が元。
ユングが展開した世界観は「人の根っこの性格は変わらない。ただ、表出する性格は動的であり、変化して行く。」
②
MBTIの開発者はマイヤーズ=ブリッグス(小説家)とその母親。
彼女らは、ユングの『タイプ論』を応用・改変して、MBTIを作り上げた。
しかし現在、MBTIの学術的な信頼性は低いとされている。
その理由はいくつかあるが、詳しくはWikipediaを参照してほしい。
ここではひとつだけ紹介する。
【再現性の問題】
心理学の学術研究は、被験者からデータを集めて解析することが多い。
MBTIの場合、この被験者からのデータを「質問紙法」で集めたらしい。
質問紙法とは、要はアンケート形式だ。
そして、5週間後にもう一度質問に答えてもらったところ、約半数が異なったタイプで測定されたそうだ。
それで「再現性がない」とされている。全然あてにならないじゃないか、と。
でもこれは当たり前に思う。だって表出する性格は変わっていくのだから。
ユングが言いたかったのはあくまで「根っこの性格が変わらない」であって、アンケート(≒16personalities)では当然結果は変わってしまうだろう。
でもだからと言って、うまい研究の手法が思いつかないので、ただただ研究の限界なんだと思う。
③
現在、MBTIは学術的には立証されていないが、自己分析に有用であるとして「日本MBTI協会」なるものが存在する。
この協会ではワークショップを行っている。
基本スタンスとしては「このワークショップで専門家と一緒に考えてエッセンスを学んだ上で、最終的には家に持ち帰って自分のタイプをじっくり探求してみてください」だそうだ。
つまり「診断結果が自分の性格だ。」と決めつけるのではなく、本当にそうだろうか、と考えるまでがMBTIだと推奨している。
―――
以上がMBTIの大雑把な歴史です。
つまり次のことが言えます。
もう一つの違い
16personalitiesはただの診断なのに対して、
MBTIは、診断を参考に自分を見つめ直すものです。
つまり、
16personalitiesは「相手(CPU)が答えを出すもの」。
MBTIは「自分で答えを出すもの」。
だと言えます。
2つの違いをまとめておく
「16personalities」
・今の性格
・相手が答えを出すもの
「MBTI」
・生まれ持った性格
・自分で答えを出すもの
2つが全く違うものだとお判りいただけたでしょうか。
MBTIは、「合ってる間違ってる」の話ではないんです。
たしかにMBTIは学術的には立証されていません。
あくまでユングの考え方を応用して、自己分析のために発展してきたのです。
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