『斎月』

 

ひとよ わが本日を想い慕う或るひとよ
いく夜いく夜と腫れたいたみをわすれましたか
閑寂に耐え わずかに漏れ出る歌声も
月の奏でる沈黙の讃歌に 暮らしも息もあさくなった

それが美しいのは自然なことです
ほかになにごともなく しかし
語るほどに離れてゆくわたくしに
すくいは ひとすじに許された涙におもう

ひと知れずひかりふるわせ
いつくしみがちに聞いているあの白い月のように
一滴のまじりけさえも許せなくなった

ひとよ
わたくしを生きることができますか
ほんとうに わたくしを生きる覚悟がありますか

 

 

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