『祈り』

小さきものふっと消えて根ざしてしまわれよ

『再生』

雲はなく湖面はどこも平らかなのに雨が降っていると思う

『砂の記憶』

むかし、炎があったむかし、重力があったむかし、歳月があった暗き浜辺に流れ着てか...

『蝶の想い』

真鍮のくずおれて林檎の思慕もゆきどけてぬかるみ万事が万事ぬかるみ眠りのほかに癒...

『金縛り』

意志が枕元に落とした意志が鳴り続ける鳴り続ける。指を動かそう、というのが夜に差...

『湖面』

湖面は静まり私は、怒っていると思う。  静まり返れば  こころ映せるものと信じ...

『砂漣の歌』

ひとけない緑青ろくしょうに打ち捨てられた石人せきじんが在るかない遠燈えんとうを...

『校舎裏の日陰』

研究所のミナセさんは遊び人だねと言われるとよろこぶ、教科書に載っているものはそ...

『ひと露の詩』

ひ と 夜 、 明 けふ た 夜 、 明 けた っ た そ れ だ け 。甲 ...

『瓶詰めの手紙』

灰の鮮あざやぐ黄昏れに  いつしかに 埠頭ふとうの煌めくただなかに居た潮風の香...