人|26.3.26 偽り、愛嬌

 

ずぶ濡れに疲れ果て、帰るやいなや素っ裸のまま寝てしまう。
(風邪をひいてしまえばいい)
どちらでもよかった。

 

今度飲もうよ、とめずらしくこちらから誘う。
途端に、気乗りしない。
驚くほどに、気乗りしていない。
自分は一瞬、何を期待したのか。
何も変わらないことを知っていながら。
嘘をついた後ろ暗さだけが、なお残る。

ひとりで生きていくと決めたのだった。
何度も何度も、何度も、何度も。
しかしそれは、決意というより逃避に近い。

 

 

『雪のことば』

ひとりはいや ひとりはいや だけど
馴れあいはさみしさを深めるばかりです。
あなたはあなた わたしはわたし
孤独を埋めることはできません。
お恵みください 雪のひとさじ
もはやほかでは癒えないこころ
ともに孤独になることはできます。

あなたの雪が冷えぬよう
馴れあうつもりはありません。
それがわたしの信じるやさしさ
そのとき つれない冷たさに
氷傷やけどだけはなさらぬよう

 

 

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